胃潰瘍の原因と症状・検査・治療方法・もし放置していると…

胃潰瘍の原因
潰瘍は、何らかの原因で粘膜の深い部分まで傷ついた状態を意味します。


胃潰瘍の場合、胃粘膜から分泌される胃液により、胃が傷ついてしまうために起こってくることを示します。


胃の役割は、口から入ってきた食べ物を貯め、消化し、腸へ送り出すことです。


胃液は食べ物を消化するために不可欠ですが、金属をも溶かしてしまう非常に強い酸性です。


では、なぜ健康な人の胃は胃液によって傷つかないのでしょうか。


胃液の主な成分は、攻撃因子と防御因子の2種類に分かれます。


攻撃因子として代表的なものは、塩酸や消化酵素です。


これらは胃の中の食べ物を殺菌し、タンパク質を分解する働きをします。


対して防御因子としては、粘液があります。


これは胃粘膜が傷つかないように胃の内側を覆っており、胃そのものが消化されないようにする役割があります。


健康な人の場合、この攻撃因子と防御因子のバランスが保たれているため、潰瘍が起こることはありません。


しかし粘液の分泌が不十分だったり、塩酸の分泌が多くなったりと、胃液のバランスが崩れることで胃潰瘍が発生します。




攻撃因子と防御因子のバランスが崩れてしまう原因としては、様々あります。


例えばストレスの際に分泌が高まる副腎皮質から分泌されるホルモン(副腎皮質ホルモン)は、粘液の分泌を抑えるために、潰瘍ができやすくなります。


また喫煙やアルコールは、胃液の分泌を高めるため、胃にとって大きな刺激となります。さらに低栄養になると、血液中の栄養分が減り、傷ついた胃の壁を修復することが難しいため、潰瘍が治りにくくなります。


また潰瘍をつくる原因としてヘリコバクター・ピロリ菌が注目されています。


この菌に感染すると、胃の粘膜に炎症を起こします。


また、粘膜の表面を守っている粘液が減ることで、胃粘膜が胃液の酸によって傷つきやすくなります。


胃潰瘍になった人のうち70~80%はピロリ菌が発見されていることから、胃潰瘍とピロリ菌には密接な関係があると言えます。


最近では薬剤(非ステロイド性解熱鎮痛薬)によって起きる薬剤性の潰瘍が増加しています。


非ステロイド性抗炎症薬は、頭痛薬などの痛み止めとして薬局で販売されており、非常に身近な薬ですこの薬は胃の粘膜を保護する作用を低下させたり、粘膜を傷つけてしまうため、潰瘍が起きやすい状態となります。


服薬時間を守らず頻回に使用したり、長期間使用することで、胃潰瘍が発生しやすくなるため注意が必要です。


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